自民総裁選へ向け多くの候補者が出そろい、メディアは各候補者のについての言及が増えていました。中でも小泉進次郎氏が注目されているように見受けられます。進次郎氏の発言の中で、
- 正社員をもっと自由にクビキリできるようにすべき
- 大学に行くのが全てではない
- 年金は80歳からでいい
というものがあり、これに多くの批判の声が上がっています。これについて思うのは、非常に合理的で、日本経済の発展と安定的な財政運営に必要な政策と思います。
「正社員をもっと自由にクビキリできるようにすべき」について
私は経営する立場のため、労働法の勉強もしております。学んでみて思うのが日本は労働者に優しくしすぎです。
- クビを切る時は30日分の平均賃金を支払わなければならない。
- 働いていないのに給料がもらえる年次有給休暇の制度
- 簡単に減給されない
- 育休、介護休制度(役員にはない)
- 経営陣に雇用保険などない。労働保険も原則適用外。
などなど、労働者に認められる権利というものが数多くあります。
Twitter社の大量解雇の例
アメリカの起業なんかは簡単に首切ることができ、昨今はイーロン・マスクがツイッターを買収した際に、全従業員の約半分の3700人を解雇しています。日本でやろうものなら裁判沙汰になるかその前に労働基準監督署が飛んで来て不当解雇となることでしょう。進次郎氏の言うクビキリの下方修正は一種の経済の自由化です。経済は国によって回り、国は企業・団体が回し、さらにそれらは家庭そして個人が回すものです。企業の存続、業績は国の経済に大きく影響を与える非常に重要項目です。企業は利益を生み出さなくてはならず、そのためにはコストを削減しなければなりません。企業存続のためのクビキリの下方修正はプラスの面もあるのです。
クビキリ下方修正のメリット
企業存続による経済発展のメリットの他にも、人員の流動性の活性化も見込まれます。人が不要なところに多くの人が集まり、人が必要なところに人が集まらないといったことが、解雇制限によって生じていると思われます。これを解消することで、より人が流動的に動き、日本全体での適材適所な人員マネジメントができるのではないでしょうか。
「大学に行くのが全てではない」について
奨学金の返済に20代30代が苦しんでいるという問題についての質問に対する回答として答えられた内容です。奨学金は借金ですから返すのが義務です。返せない借金をするくらいなら大学はいかずに働くという現実的な考えを持つべきだと思います。そもそも優秀な学生であれば奨学金の免除制度もあります。論文や学会発表など学業に専念していれば十分に免除されます。現に私も学生時代に周りに何人も免除されていました。学業に勤しむこともなく、出席は友人に任せ、酒に合コンにギャンブルに明け暮れ、大事な時間を生産性のないことに費やし、低賃金の会社に就職。そして奨学金の返済が苦しいと言い出す。だったら大学など行かずに働いた方がましでしょう?そう言っているのです。
「年金は80歳からでいい」について
この発言は2018年の国策研究会会員懇談会での演説内容です。私含め多くの人がこれには批判の声を上げるでしょう。しかし、しょうがないのです。年金とは現役の働き世代が毎月納めている高い厚生年金保険料などが今の高齢者に支払われる年金に充てられています。超少子高齢化で働き世代のトータルの賃金総額が減り、年金支給額が増えるならば、年金システムは破綻します。超少子高齢化にストップをかければ問題ないですがほぼ不可能です。少子化の要因は生活の豊かさだからです。文明が発達しすぎて独りでも快適に暮らせる環境になり、個人の権利が強くなった今、たとえカネがあったとしても少子化は絶対改善しません。こんな状況で年金制度を改善していくのは不可能です。制度の継続のためには延命措置しかありません。高齢者も働くしかないのです。
段階的に進めてほしい
「クビキリをもっと自由に」とは言ってもいきなりアメリカのようにとは無理でしょう。労働法の整備により段階的にクビキリを徐々に自由化していく必要があると思います。そのためには受け入れ先の整備も進めなければなりません。やることは多そうですね。頑張ってほしいものです。
「大学に行くのが全てではない」についてはまさにその通りと思います。そもそも学問とは真に人類の発展のためになすべきものであるべきですが、資本主義の世の中どうしても資本を優先してしまって目的と手段が反対になってしまうということは100年前にマックス・ウェーバーが「職業としての学問」で問題視しています。現代において大学へ行く目的は良い企業に就職することがほとんどです。99%がそうではないでしょうか。善く働きたいので早期に就職することも視野に入れるべきでしょう。
「年金80歳から」についてもあまりにも極端です。かつては年金支給開始が60歳からであったのを65歳に引き上げたように段階的にする必要があるでしょう。
いずれも極端な発言が批判の的になっているようですが、今後必要な世策となることは間違いないと思います。
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