空売りとは
空売りを行うことで、株が下落することで利益を得ることが可能です。
本来、株とは安い時に買って高い時に売ることで、その差額を利益とします。
しかし、株価というものは永遠に上がり続けるものではありません。
上がったら下落するものです。
その下落の際にも利益を生み出すことが可能なのが空売りの大きな特徴です。
株価の推移は一般的に上昇スピードよりも下落のスピードの方が速いです。
したがって短期的に大きい利益を生み出せる可能性が、通常の買いよりも高いということになります。
特に大暴落の際には、一瞬で大きな利益を得る可能性があります。
メリット・デメリット
メリット
1.チャンスを増やせる
前述のとおり、下落の相場でも利益を生み出せますから、投資機会が増えます。
「買い」だけで投資を行っている場合は、上昇相場でしか利益を生み出すことができません。下落の相場では損失を見守るのみです。
そんな下落の相場でも「空売り」を駆使することで密度の高い投資を行うことが可能になります。
2.レバレッジ効果がある
空売りは信用取引の一種であるため、自己資金以上の取引が可能となります。
具体的には担保の3倍まで取引ができるようになります。
例えば100万円の現金を口座に入れておけば300万円分の取引ができるということです。
これによって大きなリターンを見込める反面、リスクも高まります。
デメリット
1.貸株量が発生する
後述しますが、空売りの仕組みは先に株を借りてきてから売るということを行います。
株を借りるわけですから、レンタル料が発生します。
しかし、このレンタル料は年利1~2%であり、日割りにすれば微々たるものです。
必要経費と割り切りましょう。
2.レバレッジ効果によるリスク
メリットの方でも取り上げたレバレッジ効果ですがもちろんリスクもあります。
自己資金以上のお金を扱うわけですから、いわば借金状態になります。
さらに自己資金以上の損失を生み出す可能性もあります。
無理なレバレッジを効かせた取引は、非常に危険です。
メリット・デメリットまとめ
空売りについてのメリット・デメリットについてまとめると、「レバレッジを効かせない」空売りを行えば、「下落でも儲かれる」というメリットだけを享受できるということになります。
つまり、自己資金内で空売りを行えば、レバレッジリスクはほとんど考慮しなくてもよいことになります。
100万円証券口座に入れているのであれば、100万円以内で取引を行うということです。
空売りの制度について
SBI証券を例に説明していきます。
株を借りて先に売る
空売りは、株価が高い時に先に売って、安くなった時に買うことをいいます。
株を持っていないのに売るから「空売り」と言われます。
正式には「信用新規売り」と言います。
なぜそんなことが可能なのかというと、株を借りてくるからなのです。
世の中には大量に株を保有したまま、固定して動かされていない株があります。
つまり有り余っている株です。これを遊休株と言います。
代表例として保険会社や銀行、年金機構などの金融機関が保有しています。
この遊休株を日本証券金融株式会社(日証金)などを経由して、各証券会社に貸し出されます。
さらに証券会社から私たち投資家が借りることができるわけです。
そしてその借りてきた株を市場に売るわけです。これが空売りの一連の流れです。
![](https://solare-academy.com/wp-content/uploads/2023/03/karauri2.png)
なんやかんやと裏でやり取りが行われいるものの、私たちが行う取引注文自体は非常に簡単です。
注文自体は5秒でできます。
品貸料(逆日歩)について
先ほど遊休株という有り余っている株があるということを説明しました。
しかし、この遊休株にも限度があります。
ある銘柄について空売りが集中し、遊休株が枯渇すると品貸料というものが発生します。
これはなかなかに高いですので注意が必要です。
品貸料 = 株数 × 空売り保有日数 × 品貸料率
という計算で発生します。
品貸料率1円の時に1000株を10日保有すれば、10,000円品貸料が徴収されます。
追加保証金
株を借りてくる際に、一定の担保が必要となります。
その必要な担保が規定のラインから下回ると追加証拠金が発生します。
条件は次の通りです。
- 委託保証金が30万円を下回る
- 委託保証金率が20%を下回る。
いずれかの条件を満たした場合は、翌営業日までに追加保証金を入金する必要があります。
従って空売りする際は余裕をもって入金しておくことが必要です。
信用取引配当金
資産運用を行う際に、配当金で運用を行う方も多くいらっしゃいます。
この配当金ですが、権利付き最終売買日に株を保有していると受け取る権利を獲得します。
一方で、この権利付き最終売買日に「空売りを保有」していると逆に配当金を払わされます。
各銘柄の権利付き最終売買日は必ずチェックしましょう。
空売りの方法
信用口座を開設しよう
空売りは信用取引であるため、「信用口座」が必要になります。
まずは、どこかの証券会社で「総合口座」を開設しましょう。
総合口座は証券口座のベースとなる部分と思ってください。
その上乗せとして「信用口座」を開設することができます。
信用取引は自己資金を担保にお金や株を借りることで行う取引です。
そのため、個人の信用力が必要となります。
資金力や投資の経験、年齢、職業などの審査があります。
クレジットカードを作る時の審査のようなものです。
経験上大抵の方が開設できるものと思われます。
早くて1週間、遅くて1カ月程度で開設が完了します。
証券口座に入金しよう
口座開設ができましたら、証券口座にお金を入金する必要があります。
振込先の銀行口座番号が発行されますので、普段お使いの銀行から振り込むことで入金出来ます。
後日、証券会社のマイページにログインすると買い付け余力に入金額が反映されます。
その資金で株を買ったり、空売りすることができます。
たくさん増やしましょう。
※総合口座から信用口座に資金を移動させる必要はありません。
空売りの注文をしよう
下落が見込まれる銘柄を選び、空売り注文をしましょう。
下図はSBI証券の例です。各項目を入力し、注文を出しましょう。
![](https://solare-academy.com/wp-content/uploads/2023/03/karauri1.png)
空売りを決済注文しよう
空売りを決済することを「信用返済買い」と言います。
借りていた株を市場から買って返すので「返済買い」と言います。
新規売り注文の際に信用取引区分を「制度(6カ月)」とした場合、6ヶ月以内に返済買いをしなくてはならないので注意しましょう。
結論
空売りは、リスクとリターンのバランスを取りながら適切に行う必要があります。
とはいっても自己資金内で取引を行えば大きなリスクは生じません。
上昇相場では買いで乗って、下落相場では空売りで乗ることで、より利回りを高くできる可能性があります。
空売りの制度をうまく生かして、資産形成を成し遂げましょう。
空売りを練習しよう
ソラーレアカデミーでは空売り講座を開講しています。
バブルが来ても、弾けても、空売りできれば大丈夫です。
中期トレンドを基礎として、上げでも下げでも、リスクを避けながらコツコツ利益を上げる投資技術の向上を目的とした売買練習講座です。
毎回、練習内容は変わります。近未来を想定した予行演習で、常に腕を磨いておきましょう。
会員限定(実技講座以上)
年3回開催、再受講何度でも無料
※講義2回目からパソコンが必要です。
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※文中の記述は、記述者が調査し、それを評価したことに基づく意見あるいは評論です。記述者は、誠実性をもって意見あるいは評論を行っていますが、その内容に基づく行動については、その方の責任によるものであり、記述者は何らの責任を負うことはありません。
※株式投資は価格変動リスクを伴います。
※信用取引は証拠金毀損リスク及びレバレッジリスクがあります。
NISAは空売りできません。よって下落相場は損する一方です。
詳しくは次のブログで取り上げています。
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